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 猛スピードで観客の前を走り抜けていくレーシングマシン。その大きなホイールはブレーキを強力なものにするためのものです。
 と言っても、インチアップのメリットにあるような、「空気を取り込むことでブレーキを冷やして性能を良くする」などという話ではなく、ブレーキを大型化するということ。

 ブレーキを大きくすると何が起こるか? ブレーキディスクを大きくすると、より円の外側をブレーキパッドが押さえることになります。「てこの原理」によって、ブレーキの押さえつける力が同じでも、ディスクの回転を止めようとする力は大きくなります。ブレーキ装置を大きくすると、単純にブレーキ力が大きくなるのです。

 じゃあブレーキ装置を大きくするつもりがないなら、ホイールだけ大きくしてもブレーキ力は変わらないのか?
 基本的なブレーキ力はほとんど変わりませんが、「効かなくなる可能性」を低くすることはできます。ブレーキ回りの空間が広がることによる冷却効果は確かにありますから、長距離ドライブや山道でのドライブなどでは、時間とともにブレーキ力が低下することを防げます。

 でも、それ以前にインチアップでバネ下重量が増えているんですよね。つまり、結局はブレーキの負担が増えている。


 結論、「インチアップでブレーキ性能は向上するのか?」については、「低下するとまでは言わないが、際立って向上するとは思えない。」ということで。
 一応、「ブレーキ装置を改造するのなら大きなメリットになる。」と付け加えておきましょうか。