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タイヤは走り続けていくうちに、だんだんとすり減っていきます。あまりにすり減ったタイヤは、タイヤとしての機能を果たさなくなってしまいます。
ではなぜ、すり減ったタイヤはダメなのか? 厚いゴムがすり減り過ぎて薄い皮一枚になってしまったら。ちょっとした衝撃でいつ破裂するか分からない状態になってしまっては、それはもちろん使い物になりませんが、まさかそこまでタイヤを使いきる人もいないでしょう。
それよりずっと前の段階で、タイヤがすり減って表面の溝が無くなってしまうと(タイヤがすり減った結果、相対的に溝が浅くなると)、車の走行に支障をきたすようになり、タイヤの交換が必要になります。
ではなぜ、タイヤの溝が無くなるとダメなのか。一番大きな理由は、何を差し置いても雨の日。
タイヤのゴムは走行中常に変形して、文字通り路面に「食いついて」性能を発揮するのです。が、ひとたび雨が降るとタイヤと路面の間に雨水が入り込み、ゴムの仕事の邪魔をするのです。タイヤに溝を彫っておくことで、その邪魔者雨水を除去するのですね。
タイヤと路面との間の水を確実に除去するためには、十分な溝の本数と、十分な溝の深さが必要になります。溝があっても深さが足りないと、その溝から水が「溢れて」、タイヤと路面の間に戻ってきてしまうのです。だから溝のなくなったタイヤは、雨の日にブレーキが効かない、ハンドルを切っても曲がらない、非常に危険なわけです。
では溝の深さがどれくらいになると危険なのか。
一般的な乗用車用タイヤでは、新品時の溝の深さは8mm前後となっています。これが半分の4mmを切ったあたりから、雨天時の性能が急に落ちはじめます。さらに溝が減って3mmにもなると、普段より手前からブレーキを踏まないと止まれなかったり、カーブを曲がる時にハンドルを切る量が増えるか、またはスピードをさらに落とさないと曲がらない、といったことを明らかに実感できるようになると思います。実際、残り溝4mm前後でタイヤを交換する人が一番多いようです。
それでも、まだ溝があるのにもったいないからもう少し使いたい、という意見もあるかと思います。 それはそれで構わないのですが、法的な規制が一つあるのを覚えておいてください。タイヤにはスリップサインというものがもうけてあります。タイヤをよく見てみると、溝の中で一部分だけ盛り上がっている場所があるのが分かります。これがスリップサインで、溝の中の他の部分より1.6mm盛り上がっています。タイヤがすり減って残り溝1.6mmになると、スリップサインの場所で溝が途切れるような形になります。ここまでなると「本当に危険だから使うな。」ということで法的にも使用が禁止されてしまいます。
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