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今、インチアップが流行している一番の理由は見た目の変化。走行性能は二の次です。
カッコいいこと、それもまた重要な車の性能の一つです。しかし、そればかりを重視して他の全てを犠牲にしてしまっては元も子もありません。まずはどのようなデメリットがインチアップの陰にあるのか、それを把握することです。
低扁平タイヤの乗り心地が悪いのは説明した通り。(詳しくは「タイヤの撓みに隠された謎」→「低扁平タイヤだとなぜ乗り心地が悪い?」参照)短いサイドウォールで乗り心地を確保するのは、不可能ではありませんが難しいことです。乗り心地を確保することはタイヤ構造の強度を落とすことになりやすく、安全面で不安があります。
タイヤの構造的な問題でもう一つ、空気の問題。重い車を支える為にはそれ相応の量の空気が必要ということは説明してきた通り。よほど無理なインチアップでなければ多少の空気圧アップで話は済みますが、タイヤの負荷能力を全く無視した過激なインチアップは極めて危険です。
大型RV車の大きなタイヤは重い車を支える為のもの。それを薄っぺらなタイヤにしてしまうのは、まさに百害あって一利無し、というものです。
また、タイヤが重量に耐える性能というのは、単純に空気の問題だけではなくゴムの品質の問題もあります。大型トラックのタイヤに触ってみると、非常に硬いものであるのが分かります。乗用車用のタイヤは、横から押せば人の手の力でも撓みます。それに対してトラックのタイヤは、同じゴムで出来ているとは思えないほど硬く作られています。
これがもし、トラックのタイヤも乗用車用タイヤと同じように柔らかなゴムで作られていたら、車の重みに耐えられずにあっという間にすり減ってしまいます。おそらくブレーキもまともに効かないでしょう。
乗用車と一口に言っても、重量が700kgしかない軽自動車もあるし、2tを超える大型高級車もあります。乗用車用タイヤも、そのタイヤ(にかかると想定された荷重)に応じて個々に設計されています。あまり大きな重量に耐えられないタイヤを超重量の大型車に装着してしまえば、すぐにタイヤはすり減って使い物にならなくなってしまいます。
無理なインチアップは、タイヤがいつどうなるか分からない危険をはらんでいるのです。
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